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設計事務所で快適な木造住宅を建てるメリットとデメリットを解説
2020.04.23
木造住宅を建てようとする場合、ハウスメーカー、工務店、設計事務所それぞれ選択肢がありますが、設計事務所で木造住宅を建てるメリットやデメリットはあるのでしょうか?
 
ここでは、設計事務所ならではのメリットと気をつけておきたいデメリット、さらには設計事務所で快適な木造住宅を設計してもらうために自分から要望に加えたら良いポイントなどをお伝えします。
 
1.設計事務所で木造住宅を建てるメリット
 
・デザイン性に富んで設計をしてくれる
 ハウスメーカーや工務店と大きく違うのは、デザイン性に富んでいるかどうかです。
例えば、四角い箱のようなモダンデザインを木造で作ることなども可能です。
また既製品の窓にとらわれない大開口の窓などもオーダーで設計することで、自由なデザインが可能になります。
 

【このようにデザイン性に富んだ大開口が実現可能になる】

 
 
・使い勝手を優先した間取りをつくってくれる
 ハウスメーカーの場合は、自由設計だといっても間取りの規制が多く、工務店の場合は、「どうにかしてここの柱をなくしてほしい」とお願いしても「工事のしやすさ」を優先しがちで、自分たちの思い通りの間取りや空間構成になりにくいものです。
 
それに対して、設計事務所の場合は、構造計算なども駆使して、快適で使い勝手のいい間取りを計画することが可能です。
 
 
・変形敷地、狭小敷地でも設計に対応してくれる
 いびつな形をした敷地では、基本、四角形の間取りで構成している家は、間取りを納めにくいものです。
斜めの敷地の線に対して、90度にカクカクと折り曲げながら建てられている建売住宅などもありますが、実際は非常に使い勝手の悪いものになります。斜めの線に合わせて外壁を計画するのは、構造計算上、少し応用した考え方をしないといけないため、ハウスメーカーや工務店では、そういった設計を敬遠しがちです。
 
 また敷地面積が20坪以下のいわゆる「狭小敷地(きょうしょうしきち)」と呼ばれる土地は、ハウスメーカーでは、基本のモジュール(規格寸法的なもの)が納まらないので、基本的に建ててくれません。工務店も難易度が高くなるので、外注の設計事務所と組んで臨むことが多いです。
 
 このように変形敷地や狭小敷地は、設計の難易度があがるため、設計事務所が力を発揮しやすくなります。
 

【20坪の狭小敷地でも自由な設計が可能】

 
 
・木造の大空間でも対応してくれる
  通常、短辺方向が3.6mぐらいの距離を柱無しで作る空間はハウスメーカーや工務店でも手掛けますが、それを5.4m、6.3mと柱なしの空間を作るとなると、規格外的な扱いになり、ハウスメーカーや工務店では敬遠しがちになります。
 
それに対して、設計事務所の場合は、構造計算を駆使してこれらの大スパン構造にも対応することが可能です。ただし、「木造住宅で短辺方向5.4mなどの設計をしたことはありますか?」と、尋ねることは重要です。なぜなら、設計事務所でもそういった設計をしたことがない事務所もあるからです。その点だけは注意しましょう。
 

【弊社設計の木造で作ったこども園の例 通常の住宅と同じ作り方でこれだけの大スパンも可能】

 
 
2.設計事務所に木造住宅を依頼するデメリット
 
・予算オーバーする可能性が高い
 設計事務所のメリットとして、自由度の高い設計が出来る部分がありますが、逆に言うと規格設計ではない分、予算がかかりすぎることがあります。
 
また、ハウスメーカーや工務店は、家を販売する側、建てる側の専門家でなので、提案していくる見積もりは、自社から提供するので金額に狂いは生じにくいです。
 
それに対して、設計事務所はあくまでも設計をすることを主体にしていて、その都度、工務店に見積もりを取るため、金額は工務店が出してくるものに左右されることもあります。設計事務所に依頼する場合は、予算に余裕をもたせている方が、ストレスが少なくて済むでしょう。
 
 
・木造をきっちり理解していない事務所もある
 ハウスメーカーは規格設計を行っているので、構造に関しては安心感があります。それに対して、設計事務所や工務店の場合は、木造に関してどこまで理解しているかに左右される場合があります。
 
少し専門的な話をすると、家を建てる許可を得るために確認申請というものを出し、それが降りなければ家の建設ができません。その確認申請には、通常の木造の場合「4号特例」という特例があり、構造検討は設計者にゆだねられ、申請機関では審査しないようになっています。「設計者はプロなんだから任せるよ〜」というふうになっているのです。
 
完全に設計者任せになっているので、ここで注意が必要になってきます。設計事務所の中には木造以外の建物を得意にしていたり、木造住宅経験が少ない人、木構造の勉強会などに参加して、木造に関する知識を深めていない人などもいます。
 
設計事務所に依頼する場合にはかならず木造住宅の設計実績を確認しましょう。最低30棟以上手掛けているか、木構造に関するこだわりや勉強経験も確認することをおすすめします。
 
 
・割高になりやすい
 設計事務所に依頼するというのは、基本的に自由度の高い設計をいらいするため、完全オーダーの家になり、既製品には存在しない部材を使うケースなどもあります。特に、家具などを既製品を使わずにオーダーで作ったりすると割高になりがちです。
 
ここで、よく言われるのが「設計事務所の設計料が高い」という話です。しかし、家の総額に対して、そこに含まれている経費率を見ると、ハウスメーカーは4〜5割、工務店は2.5割、設計事務所は3割り程度となり、経費が一番かかっているのはハウスメーカーになります。ここからも分かるように、設計事務所に依頼すると設計料が高く割高になるのではなく、基本的には自由設計を行うために割高になりやすいと認識してください。
 
 
 
3.設計事務所に快適な木造住宅を依頼するための3つのポイント
 
ハウスメーカーや工務店とは違って、デザイン性や自由度が高い設計事務所の木造住宅ですが、メリットやデメリットを明確に知った上で、さらに快適な木造住宅を設計事務所に依頼するための3つのポイントをお伝えしましょう。
 
 
・耐震等級2または3を確保してもらう
 
 デメリットでも出てきた「木造をきっちり理解していない事務所」にあたらないために、耐震等級2や3の家を設計してもらうようにすれば、それに対応できる設計事務所でしか受けれません。耐震等級とは数字が大きくなるほど、耐震性が強くなり、耐震等級2や3は、木造のことを正しく理解している事務所でしか基本的には対応は出来ませんので、木造に対する不安感も払拭でき安心感も増すでしょう。
 
 
・高気密高断熱仕様にしてもらう
 
 マンション住まいの人が、木造で新築した家に引っ越すと「こんなに寒いとは思わなかった!」と言います。理由は、日本に普及している木造住宅の断熱性能が、ここ最近のマンションの半分ぐらいしかないためです。木造=寒い、暑いと思われているのも半分事実です。なぜなら、木造でも「高気密高断熱」仕様にすると、最新マンションと同等以上の断熱、気密性能をもたせることが可能だからです。近年、ハウスメーカーや工務店でも「高気密・高断熱仕様」を謳っているところも出てきています。
 
しかし、同じ「高気密高断熱仕様」でも、レベルに幅がありすぎます。一つの基準としては、ヒート20という省エネ住宅に関する指針がありますが、その中のG2仕様以上を目指して設計してもらうと、大きな吹き抜けがあっても、小さなエアコン一台で十分快適な家にすることが可能です。「ヒート20のG2仕様以上にしたいのですが」と要望を伝えることで、快適な住環境が手に入るでしょう。
 

【40畳ある空間も12畳用エアコン一台で冷暖房が可能】

 

・(特別編)風水を組み込んでもらう
 
 最後に特別編としてですが、風水に興味がある人へ
  
風水の家を設計しようとするときには、「風水師」や「家相鑑定士」や風水や家相に精通している設計事務所に依頼することが可能です。ただ、住宅業界では風水や家相を嫌っている専門家が多くいます。なぜなら、鑑定士と建築士が犬猿の仲になりやすいからです。
  
ただ、風水などに精通している設計事務所は、鑑定士に関しても理解があり、コラボで取り組むことや、設計事務所自身でも風水設計できる可能性もありますので、興味があるかたは、ネットで調べてみましょう。
 

【家相を取り入れて設計したデザイン住宅の例】

 
 
弊社でも、全国的に「風水」サービスを展開しています。
設計事務所の利点は、「全国どこででも対応できる」というところもあります。
興味がある方はお気軽にお問い合わせください。