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設計事務所に依頼して予算オーバーさせないための4つの工夫
2020.05.15
設計事務所の家の値段は高い、予算オーバーするのは普通だ、と言われいます。
実際に設計事務所に家造りを依頼したいと思っていても、予算のことは気になります。
 
では、設計事務所に依頼しつつも予算オーバーしないようにするためにはどうすればいいでしょうか?
4つの工夫と題してお伝えします。
 
工夫その1 坪単価の話をしない
 
住宅業界では「坪単価50万円です」といった言葉が飛び交いますが、設計事務所で坪単価の話をすると大きく誤解を招くことがあります。
 
この坪単価というのは、家の金額を坪数で割って計算します。
しかし、これが誤解の元になります。
 
なぜなら、家の金額を家本体の値段か、いわゆる外構(庭工事)などのオプションまで入っているか?も、会社によって違いますし、坪数に関しては、ハウスメーカーや工務店は施工坪数(バルコニーや吹き抜け、玄関ポーチなどの面積も入れる)に対して、設計事務所では建築基準法上の坪数で数えるので、分母の数字も違ってきます。
 
また、設計事務所は坪単価という表現にも慣れていません。
「自分たちは商品を売っているのではない、作品をつくっているんだ」という感覚も強いので、坪単価を尋ねられると、苦笑いする設計事務所が多いのも事実です。
 
このように、設計事務所に坪単価の話をしても、情報が混乱するばかりなので、坪単価で話をしないようにしましょう。
 
 
工夫その2 設計事務所のこれまでの家の価格を教えてもらう
 
では、設計事務所で予算を出してもらうときにはどうすればいいのか?
一番効果的なのは「自分たちの財布から出ていく総額を教えてほしい」という言い方です。
 
「専門的なことが分からないので、結局自分たちの財布から出ていく総額で言ってもらわないとわからない。いろいろな経費もかかると思いますので、それらもひっくるめて金額を教えて下さい」
 
まずは、このように言ってみましょう。
 
その次に大切なのが、「ところで財布から出ていく総額でいくと、御社の40坪のいえの場合はどれくらいの予算が必要ですか?」と聞くことです。
 
そうすれば、「土地代を除いて、財布から出ていく総額は3600〜4000万円ぐらいかな」と言った答えが帰ってきます。そのようにして、予算感を捕まえてみましょう。
 
 
工夫その3 変更したら、その都度概算書を出してもらう
 
設計事務所に依頼する人は、いろいろな夢や要望を持っています。
基本的に、設計事務所ではすべてフルオーダーで設計を行いますので、可能性は無限大にあります。
 
「アイランドキッチンにしたいので、もう少しキッチン周りを広くしてもらえますか?」
「玄関のシュークロークをもう少しこの雑誌のようにしたいのですが可能ですか?」
 
そのようにあなたが言えば「もちろん対応できますよ」と多くの設計事務所は答えます。
 
しかし、その時に「それだと30万円ぐらいアップしますがいいですか?」と、予算にまで気を回して話をする設計士が少ないのが現状です。
 
はじめに設計事務所から出してもらった予算にたいして、その後要望などで変更を加えるのでした、かならず「先日の変更点を含めた概算をだしてください」とお願いしましょう。
 
なぜなら、設計事務所はプランづくりやデザインに意識が行き過ぎて、予算に対しては少し二の次になりやすいからです。
 
【CGなど駆使しながら洗練したデザインに夢中になる事務所も多い】
 
 
工夫その4 予算が折り合った図面を実施設計図面の成果品になるよう契約する
 
じつは、その1〜3まで話をしてきましたが、設計事務所の予算というのは、あくまでも実績の概算です。また設計事務所は工事をしませんので、その金額で工務店が受けてくれるわけではありません。
 
設計事務所は、実施設計図面という図面を書いて、それからその図面をもとに数社の工務店に見積り依頼をかけ、一番金額が安いところと金額折衝をおこないながら金額精査し、金額的に折り合いが付けば、その工務店を施主に紹介し、直接施主と工務店が請負契約を結んでもらう流れをサポートします。
 
ここで分かってくるのは、「金額が確定するのは工務店と請負契約を結ぶ時点」なのです。
 
もし、仮に設計事務所が出していた概算見積もりと工務店の金額が合わない場合は、概算見積もりに合うまで設計内容を調整するか、予算を増やして工務店の金額に合わせるしかありません。
 
もし予算が折り合わなければ、「現実に建たない図面」となり、意味がなくなります。
 
そういった時に、トラブルにならないようにするためには、設計委託契約を結ぶ場合に「予算的に工務店の請負契約が可能な場合に限り、実施設計費用を支払う」などの一文を委託契約書にいれてもらうのがベーターです。
 
もちろん、時代背景で予算が急激に変わる時期もあるので、施主と設計者とも双方リスクがあります。
 
「基本設計料までは支払うけど、実施設計料は予算が折り合った図面にしてから支払います」など、話し合いのもと決めておくのがいいでしょう。
 
 
まとめ
 
多くの設計事務所が予算管理に苦労しています。なぜなら、前回この金額で施工してくれても、半年たったら世の中の情勢が変わり予算が1割増になっていた、ということも起こりうるからです。このように考えると、設計事務所で家造りをするときは、1割程度予算に余裕を持って依頼するほうがお互いストレスがないでしょう。
 
どうしても予算に限りがあり、予算オーバーを絶対に避けたい場合は、ハウスメーカーや工務店で家を建てることも視野に入れたほうが無難です。
 
 
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