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高齢者に優しい平屋の家の間取りと建て方のポイント
2022.10.13

高齢者に優しい平屋の間取りと建て方にはいくつかの大事なポイントがあります。

また、高齢者の住む家は高齢者だけではなく介助者の利便性も視野に入れた家づくりが必要となります。

この記事では、高齢者に優しい平屋の家の間取りのポイントと、家の建て方のポイントについて、高齢者と介助者の両方の視点から紹介しています。

 

高齢者に優しい平屋の家の間取りのポイント

まず、高齢者に優しい平屋の間取りのポイントとして以下の3つを紹介します。

  •  
  • ・【間取り①】屋外のバリアフリー
  • ・【間取り②】寝室と水回りの距離
  • ・【間取り③】車椅子で介助できるトイレ

 

【間取り①】屋外のバリアフリー(高齢者に優しい平屋の家)

高齢者に優しい平屋の家の間取りを考える際、屋外のバリアフリーを徹底することが重要です。

特に道路から玄関までのアプローチ空間は、車椅子でも容易に玄関に到達できるようなバリアフリーをしっかり考えて設計するとよいでしょう。

車椅子でもスムーズに移動できる傾斜や幅を持ったスロープを設置することを検討してみてください。

スロープ空間が設けられない場合は階段を設置することとなりますが、段差は10cm程度に抑え、奥行き(踏面)は60cm程度の余裕を持った階段にすることをおすすめします。

そうすることで、介助者が1つの段に車椅子を乗せやすくなり無理なく安全に玄関まで到達することができます。

【玄関までのアプローチをスロープとした例】

 

【間取り②】寝室と水回りの距離(高齢者に優しい平屋の家)

高齢者に優しい間取りとして重要なポイントは、寝室と水回りを近接して設計する事です。

特にトイレは寝室のすぐそばに設置するとよいでしょう。

また介護が必要になった時、トイレから洗面所、脱衣所、お風呂場へとスムーズに移動できる導線があることで、介護時の負担を軽減することができます。

 

【間取り③】車椅子で介助できるトイレ(高齢者に優しい平屋の家)

高齢者に優しい家の間取りとして、高齢者が車椅子に乗ったまま介助ができるトイレ形状にすることが重要です。

一般的な家のトイレのほとんどは畳半畳分のスペースしかなく、入口が70cmの引き戸か開き戸になっています。

この広さのトイレの場合、車椅子を入れると介助者が入るスペースがなくなってしまい、介助が非常に困難になってしまいます。

車椅子の介助がしやすいトイレとしては、幅を1.7m程確保することをおすすめします。

そして、扉を3枚引き戸にすると1.1mくらいトイレの開口を取ることができます。

そのようにすると、便器の横に車椅子を並べて、介助者が正面から高齢者を抱きかかえてスライドし便器に座らせることが可能です。

1日に何度も利用するトイレへの配慮は、高齢者にとっても介助する側にとっても、重要なポイントとなります。

 

高齢者に優しい平屋の家の建て方のポイント

高齢者に優しい平屋の家の建て方のポイントとして、以下の2つを紹介します。

  •  
  • ・【建て方①】温度差を小さくする室温対策
  • ・【建て方②】認知症対策

 

【建て方①】温度差を小さくする室温対策(高齢者に優しい平屋の家)

高齢者に優しい平屋の家の建て方のポイントとして、温度差が小さい室内空間にする事が大事です。

なぜなら現在、年間2万人もの方がヒートショックが原因で亡くなっているからです。

ヒートショックとは、温度差が20度以上の気温の変化によって血圧が上下し、心臓や血管の疾患が起こることです。心筋梗塞や脳梗塞を起こす原因となり、特に60代以上の方には注意が必要とされています。

 

例えばお風呂に入る時、脱衣所の室温が10度で湯船が40度であれば、30度差でヒートショックを起こすリスクが非常に高くなります。

また、冬場の就寝中、布団の中の温度は大体27度程ありますが、窓が開いていて室温が5度くらいのトイレへ行くと、ヒートショックを起こしてしまう危険があります。

ヒートショック対策をするのであれば、新築で家を建てる場合は、高気密高断熱化に併せて全館空調にすることは必須となるでしょう。

すでに家をお持ちの場合は、温度差が20度以上になりそうな脱衣場などに暖房を設置して、温度差を小さくする工夫が重要となります。

高齢者の方はご自身でも、冬場は羽織物をしたり、夜間に窓を開けないなどの注意を心掛けてくださいね。

 

【建て方②】認知症対策(高齢者に優しい平屋の家)

高齢者のためには、家中をバリアフリーにしすぎない事も重要です。

行き過ぎたバリアフリーは人が本来持っている能力を衰退させてしまうことがあるからです。

例えば、人は火を見ることで脳が活性化します。

高齢者は火を使わない方が安全という理由から、むやみにIH化を取り入れ、火を全く見ない生活にしてしまうことで脳が活性化せず、認知症などになる可能性が出てきます。

また、段差は危険だからといって段差の全くない家にするよりは、特定の部屋や場所には段差がある方が、脳を刺激する空間構成となりますし適度な運動にもなります。

また、高齢者が和室で寝る場合などは、他の床より30〜35cm高くした床にした方が起き上がりやすく、立ち上がりやすいというメリットもあります。

高齢者だからこそ安全に火を使う方法を取り入れたり、高齢者の為の段差を取り入れることが、本当の意味で高齢者に優しい家づくりとなるのではないでしょうか。

【和室の床高を高くした例】

 

サマリー:高齢者に優しい平屋の家の間取りのポイント

こちらの記事では、高齢者に優しい平屋の家の間取りのポイントと、家の建て方のポイントについて、高齢者と介助者の両方の視点から紹介しました。

高齢者に優しい平屋の間取りのポイント

屋外のバリアフリー

車椅子でもスムーズに移動できるスロープや、奥行きに余裕のある段差の小さい階段があると安全に移動できる

寝室と水回りの距離

寝室の側のトイレから洗面所、脱衣所、お風呂場へとスムーズに移動できる導線の確保が望ましい

車椅子で介助できるトイレ

高齢者が車椅子に乗ったまま介助ができるトイレ形状が望ましい

 

高齢者に優しい平屋の家の建て方のポイント

温度差を小さくする室温対策

ヒートショック対策として高気密高断熱化に併せて全館空調にすることが望ましい

認知症対策

行き過ぎたバリアフリーは既存の能力を衰退させてしまう可能性がある

 

こちらの記事が、高齢者に優しい平屋の家をつくる上で少しでもお役に立てば幸いです。