YANO'S BLOG
なぜ、掃除下手な人が世の中に多いのか?
2019.09.18 動画 幸せな家造り 基本の「き」 子供の住環境 片付け 子育て
何度となく、わたしのブログでお伝えしている子供部屋。
あなたの家にとって子供部屋という場所はどんな場所でしょうか?
 
そして、あなた自身が子供の頃に育ったことも部屋はどういう部屋だったでしょうか?
あなたが育った子供部屋はあなたの人生にどのように影響したか?
 
それは子供部屋をどのように使ってきたかで分かります。
 
今回はその前に、知っておく必要のある話をします。
 

子供部屋ができたのは戦後から

まず、子供部屋ができたのは戦後だということをお伝えします。戦後70数年経つので、戦前のことまで把握している人は少なくなっていますが、戦前の住まいは、食寝一体型と言われる「起きて活動する場所と寝る場所が一緒」のスタイルでした。家族みんながそこにいて、みんなそこで寝るという感じです。
まず、知っておいて欲しいのは、子供部屋が普及し始めてから、まだ70年ぐらいしか経っていないという事実です。
 

戦後たくさんのアメリカ文化が入ってきた

それが、戦後の敗戦により、アメリカからLDKという間取りが日本に導入され、その間取りが普及されました。例えば、3LDKなら、3つの個室とリビングダイニングキッチン、それとトイレなどの水まわりなどを示します。
さて、この3つの個室。「個室」が示しているものが実はアメリカと日本とでは大きく違うということをご存知ですか?何度となくお伝えしてきていることなので、「ああ、いつものあれね」と思ってもらえればいいのですが、知らない方はぜひ知っておいてください。
 

アメリカの個室は寝室、それに対して日本は

アメリカの個室は、大人や子供関わらず「寝室」を示しています。
実際のアメリカの不動産表記は、3ベットルーム2バスというように、LDK以外に3つの寝室と2つのバスルームがあるというような言い方をします。ここから見ても明らかです。
しかし、日本では個室を「寝る時以外にも過ごす場所」として、知らず知らずの間使い始めたのです
 

子供部屋を勉強部屋として使い始めた始めての国

その当時、子供の寝室で勉強させるという文化が普及した国はなく、日本が1960年台ぐらいから本格的に子供部屋に学習専用机をおいて勉強させるようになった始めての国でした。
学習専用机というものも、日本で一般的に開発されて普及されたものです。
 

子供部屋で勉強させるということが引き寄せたもの

子供部屋を寝室として使う以外に勉強部屋として使い始めた日本。
そのことで、多くの混乱を生み出しました。
 
例えば、子供部屋は寝室として使いながら、子供の整理整頓能力、インテリア構築能力などを育成する自立を促す部屋だということをご存知ない家庭が多いです。そのため、子供の整理整頓能力を鍛えるべきなのに、親が部屋を片付けたり、掃除機をかけたりと本来の子供部屋の機能を無視した使い方をしてしまっています。これだとわが子は掃除下手にしかなれません。掃除下手の人がなぜ多いのか?の原因はここにあります。
 
 
いかがだったでしょうか?
子供部屋を勉強部屋化してしまった弊害は、これ以外にもたくさんありますので、次回お伝えします。
 
動画でもこのニュアンスを聞きたい方は動画でもご覧ください。
 

 

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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。