YANO'S BLOG
Q&A)2階LDKだと 子供が部屋に引きこもりませんか?
2018.10.05 はじめに
前回、ヨーロッパには子供部屋がないという
話をしました。
 
以前この記事が取り上げられた時に、
「ヨーロッパの家にも子供部屋はありましたよ!」
という指摘を受けたことがあります。
 
もちろん、全くないということはありません。
 
この話の論点は、子供部屋がどれだけ
あるかどうかではなく、
子供の家の使い方にアメリカとは全く違う
発想があり、それがファミリールームであり
そしてサロンだということでした。
 
論文だと根拠を出せ、と言われそうですが、
あくまでも私がこれまで実践しながら
検証してきた事例だという感じで
捉えてくださいね。
 
さて、今回の話。
2階LDKだと子供が引きこもらないか心配
という相談です。
 
LDKをどのように機能させるかが
ポイントか、本質的な答えをしていますので
ご覧ください。
 
◇今回のQA 
2階LDKだと
子供が部屋に引きこもりませんか?
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(ご質問)
最近、木造2階建てで、2階LDKの家が
気になっています。
 
雑誌などでも「2階LDKの良さについて」
というのも読んだことがあるのですが、
2階LDKだと子供が部屋に引きこもる
ようになるのではないかと不安です。
 
 
(八納の答え)
まず2階LDKの間取りに関してですが、
私の場合は、お施主様との話し合いと
合わせて、周辺環境の状況によって、
LDKを1階にするか2階にするかの
方向性を決めていきます。
 
基本的には1階にLDKを設置することを
第1優先で考えています。
 
ただ、みなさんが思っている以上に
2階LDKのほうが、前面道路からの
視線や気配、LDKにふんだんに光を
入れることが出来るケースも多く、
地方都市や都心で設計することが多いため、
私が手掛けている家の約半数は
2階LDKの間取りになっています。
 
さて、
「子どもが引きこもりやすくなるかどうか?」
についてです。
 
「2階LDKにしたら、
1階の子供室に子供が直行してリビングに
上がってこないのでは?」
 
と心配される方もいます。
 
そのお気持ちは分かります。
しかし、以前
「リビングイン階段はいいのか?」でも、
お伝えしましたが、間取りの及ぼす影響は
この場合、そこまでありません。
 
どちらかというと、
家族関係が生活に及ぼす影響が主で、
それに見合った家の使い方をするように
なります。
 
例えば、親子の仲が悪ければ、
いくらリビングイン階段にしても、
親と顔を合わさないタイミングで
階段の上下をすることでしょう。
 
逆に、親子関係を見直そうと
努力をしている家族の場合には、
リビングイン階段が会話を増やす
いい機会になり、
好循環を生み出していきます。
 
2階LDKの場合も一緒です。
 
2階LDKの良さは
「明るく、開放的に居心地の
いい空間が作りやすい」
というところにあります。
 
ですので、普段から家族が
リビングなどに楽しく集う習慣を
形成していった家族の場合は、
子どもが反抗期になったとしても、
2階リビングの居心地の良さを
知っているので、
無理のない範囲で部屋から出てきます。
 
私が長年調べて来て思うのは
「リビングに家族が不在」
である家のほうが、
子どもが引きこもったり、
ニートになっているケースが多いです。
 
家族=社会最小単位
=子供にとっては社会の象徴
=家ではその場がリビング
 
というのが私の持論ですが、
リビングが普段からどれだけ、
家族単位でお互いが触れ合いながら
過ごしているか?
 
がポイントになるでしょう。
 
 
八納啓創
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。