YANO'S BLOG
年齢別わが子の部屋の使い方 4つのステージ
2019.09.23 子供の住環境 子育て
このブログでは、子供の住環境の話をよく書きますので、すでにご存知の人も多いと思いますが、子供部屋の使い方で、わが子の才能の伸び方や子育て自体の難易度がガラッと変わります。
 
マンション住まいの方も多いでしょうが、これは一戸建てであってもマンションであっても賃貸アパートでも一緒です。
 
中には、家のサイズ的に「子供部屋なんてない」という家庭もあることでしょう。
 
しかし別に子供部屋があるかないかは、実は究極的に関係ありません。
 
本質的には、わが子が家の中でどのように育って行くか?が重要です。
 

3LDKに住む7人家族の話

 
3LDKの間取りに子供が5人いる家族がいました。
家づくりの相談という事で、お会いしに行った時のことです。
 
玄関に着くなり「おじちゃんこんにちは!」と言って抱きついて来るのです。
当時「おじちゃんじゃないのにな〜」と思いながら(笑)、そのハグに少し戸惑う自分を思い返すとおかしいのですが、どの子も一様に人懐っこい。そんな印象を受けました。
 
実際に家の中を見せてもらったら、6畳一間にダブルベットを二つ置き、隣の4畳半のタンスが所狭しと入っている部屋でもう一人分のベットを確保している状況でした。
 
私はその状況を見た時に、なぜこの子供たちが人懐っこいのかを理解しました。
「ああ、兄弟とうまく付き合っていかないと生きていけないという感覚があるんだな」
 
自分のテリトリーはほぼベットの上だけです。そこ以外は、すべて共有空間です。上の子が中学生になっていたので、そろそろ家が欲しいというのも頷けましたが、私はそれまでの間この環境で育ってきたこの子たちの「たくましさ」を感じました。
 
先日フィリピンに行ってきたのですが、フィリピンの家族はだいたい5人ぐらい子供がいるのが平均のようです。接するフィリピンの人はどの人も人懐っこい。私は、この状況をとても重ねて感じました。
 
 

子供部屋が必要か不要か?

 
結論からいうと、状況によるでしょう。
 
先ほどの例のように部屋がないとダメというわけでもなく、あったからと言って、その使い方が間違っていれば、その子にとってストレスにしかなりません。
 
ただ、一つのモデルケースとして、わが子が社会に出る時によりストレスフリーになる家の使い方はあると考えています。
 
 

年齢におけるわが子の家の使い方4つのステージ

 
まず一貫して言えるのは、子供部屋は基本寝るために使う場所とした方がいいです。
 
なぜなら、学校で何かあった時や反抗期に入った時には、子供部屋にこもりがちになりますので、その差異を作っておき、わが子の変化に気づけるようにすることが重要だからです。
 
日中は、家族と過ごし寝るときだけ部屋に入る。
これは基本です。
 
では、幼児期。
個室で寝かせてもいいし、家族と一緒に寝てもいい。
とにかく、家族と触れ合える時間を長く取ることが重要です。
別の記事でも書いた、リビングとダイニングの使い方なども参考にしましょう。
 
次に小学校低〜中学年。
個室を与えるスペースがある家庭では、小学校中学年近くになると「自分の部屋が欲しい」といい始めます。しかし、無条件で部屋を使うことはオススメしません。このタイミングで重要なのが「整理整頓能力」を身につけさせることだからです。部屋の片付けができなかったら部屋を一定期間没収するなど、わが子と話し合いながら、わが子にルールを決めさせるのがポイントです。
 
次に小学校高学年〜高校生
反抗期を迎え始めます。反抗期に入る前まで、家族と過ごす時間が長かった子供は、比較的家族とのコミュニケーションを取りやすいですが、部屋にこもりがちな子供は、コミュニケーションが完全に断絶してしまう可能性があります。また、インターネット環境が部屋の中にあれば、最悪の状況を作り出す可能性も高いです。出来る限り部屋から出て来る機会作りをしましょう。
 
次に大学生〜
大学を出てから一人前の社会人として認めるという風潮が日本ではありますが、いきなり社会人になった時に切り替えるのは難しいものです。大学生の頃から、「大学を出て家に同居する場合は、家賃と生活費をもらう」という話をしながら、パラサイト化させない線引きを引きながら暮らすのがこの時期です。
 
「いやいや、うちは大学院に行かせるから」
「就職難なので、そんなことしたら可愛そう」
 
このように考える親も少なくありません。
しかし、実際の世の中は、人手不足で嘆いています。就職口はいくらでもあるものです。
 
大学院に行くのなら、同じように期限を決めておくことでけじめある日々を送りやすくなります。
 
気をつけるべきは、思っている以上に過剰な経済的援助になっている可能性です。
わが子が社会に巣立って行くためのベストな選択をしていきましょう。
 
 
いかがだったでしょうか?
子育てとわが子の成長を見ながらの家の使い方やわが子と接し方は、短期的なものではなく長期スパンで見ることが重要です。
 
最後のお知らせですが、2019年10月19日に私の話が直接聞ける講演会が静岡市で開催されます。静岡市が主催。近隣の方で興味がある方は、お越しください。申し込みはこちらです。
 
 

 

 
 
 
 
 
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。