YANO'S BLOG
書斎こそ男のロマン!?男の威厳を崩さないために抑えておきたいポイントとは?
2019.09.30 動画 幸せな家造り 基本の「き」 家づくり成功のツボ 一流人の思考
「小さくてもいいので書斎が欲しいです」
家づくりを行う際に、約半数の男性がそのように言います。
 
その際に、多くの書斎が納戸化してしまうことを告げると、「では、やっぱりいいです」という人と「僕は使う目的が明確なのでやはり書斎をお願いします」という人に別れます。
 
私は決して、書斎を作ることを反対しているわけではないですが、書斎を使い熟すにはそれなりの明確な意図がないと使いこなせないと考えています。
 

どういう人が書斎を持つのに向いているか?

 
具体的には
 ・仕事に関して定期的に試験があるため勉強する人
 ・趣味などで部屋にこもってやりたいことが明確にある人
 ・一人きりになっても寂しくない人
などが向いているでしょう。
 
書斎は欲しいけど、独りきりだと寂しいという人もいます。
そういう人の書斎は、ほぼ間違いなく納戸化してしまいます。
 
 

書斎は欲しいけど、独りきりだと寂しいという人はどうすればいいか?

 
このような場合は、私は家づくりにおいて、子供達が勉強するワークスペースに扉を開けると連続できるような形で書斎を設けるようにします。
 

【ワークルームの奥に書斎を設置した住まいの例 扉一枚で空間が繋がります(竣工時)】

 
また、それだけのスペースがとれない場合はどうするか?
その場合は、ワークスペースに「父親専用エリア」を設置します。
 
なぜ、父親専用の場所を作るのか?
それには理由があります。
 
 

家族バランスで父親の尊厳を確保させる重要性

 
父親が主に仕事をし、母親がサブ的に仕事をしながら育児と家事をこなしている状況が一般的に多いでしょう。もちろん一概には言えませんが、幸せな家族関係を構成するときにとても大切なのは、家族のパワーバランスの保ち方です。
 
最近は、親と子供が友達のような感じになる家族もいますが、その前提には「子供が親を尊重して憧れる」ことが重要になります。
 
このように書くと、痛く聞こえる人もいると思います。
私も書きながら、そうなのですが(笑)、出来る限り、わが子が親を尊重する流れを作ることは重要です。
 
少し心理学的な話になりますが、人生の満足度は、産んでくれた親にどれだけ感謝できるかが一つの鍵になっています。
 
さらに耳が痛く聞こえる人もいるかも知れませんが、夫のことを子供にグチっている妻がいたとします。そうすると、その子供は父親のことを尊敬するでしょうか?
 
基本的に「お父さんは、頑張って仕事をしてくれている。なかなか一緒に遊べないこともあるけど、週末に遊んでもらおうね」というのか、「お父さんていっつも残業ばかりで、お酒飲んで帰ることも多いし、、本当に仕事なのかしら!」というのかで、子供が父親に持つ印象は変わってきます。
 
会話レベルでそのようなこともあれば、家の使い方でも同じようなことがおきます。
 
 

家は基本夫婦のものという考え方

 
家の使い方で大切になるのが「家は基本夫婦のもの」という考え方です。
 
この考え方は、わが子が親のことを尊重するパワーバランスを維持しながら、また将来健全に自立してわが子が巣立って行く手助けにもなります。
※「家は基本夫婦のもの」という考え方は別の記事で具体的に書いていますので、そちらでご覧ください。
 
そして、父親と母親に対する尊厳を維持する場所があれば、よりその感覚が維持できるようになります。
 
では、その尊厳する場所はどこになるのでしょうか?
母親の場合は、キッチンやダイニングがその象徴になります。
 
 

父親の場合はどこになるのでしょうか?

 
父親の威厳を保つ場所をどこに確保させるか?
先の話からすると、書斎やワークスペースの父親専用エリアです。
 

【ワークルームに書斎エリアを組み込んだ事例】

 
それ以外の場所としては、「父親専用の椅子」なども効果的に機能します。
もし子供が父親専用のエリアを使おうとしたら、「そこは使ってはダメです」「座ってはいけません」ということで、父親の威厳性を空間が保ってくれます。
 
 

結局書斎は男にとってなんなのだろうか?

 
これらの話を見ていくと、書斎は「父親の威厳を保つ場所」ということが分かってくるでしょう。
しかし、そこを使いこなせず納戸化してしまうと、威厳もまるっきり保てないでしょう。
そうなると逆効果です。
 
自分自身がしっかりと使いこなせるエリアを作り、そこを専用スペースにしたり、専用椅子を活用することで、書斎に象徴させる威厳を保つ場所を確保してみましょう。エリア確保が難しいときは、先にも述べましたが専用椅子だけでも効果的です。
 
そして、母親はくれぐれも父親に対する不平不満を子供にぶつけ続けないよう気をつけましょう。
最後に、お伝えしますが、決して父親の肩を持っている訳ではありません。
 
今回の動画では、書斎について述べていますが、次回は家事室についても述べていますので、双方の内容をご覧いただき活用いただければと思います。
 
 
【動画を再生したい方は画像をクリック!】
 
 

 
 
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。