YANO'S BLOG
繁盛する民泊 簡易宿舎運営に興味がある方が押さえるべき5つの視点
2019.10.07 民泊 簡易宿舎
最近、空き家対策として、建物を借りて民泊を始める人やその他にも事業として使おうとする人の相談を受けます。
 
だいたい、建物は築20〜40年ぐらいのものが多いのですが、借りる前に注意したいことがあります。
 
最近、民泊新法や簡易宿舎などに活用しようとする時に特に感じることを、お伝えします。
 

【弊社がプロデュースした民泊の事例】

 

なぜ、これほどまで民泊などをやりたい人が増えているのか?

 
それは、ズバリ外国人観光客を2020年までに4000万人に増やす計画を日本がたてているからです。
 
興味深いことに、日本は基本的に外国人観光客の人数をこれまで規制していて、それを徐々に緩和していくという方法をとっていて、これまでの計画に対して、この数字にブレが全くありません。
 
ちなみに2018年は日本に訪れた外国人の数は3119万人になりました。2017年は、2869万人。2019年は前半の6ヶ月で約1700万人なので、ハイシーズンの残り6ヶ月を考えると実際に2020年に4000万人に向けて順調に動いていると考えられます。
 
そういったことも含め、日本人向けのビジネスで需要が下がって行く中で、需要が増えるこのインバウンド需要を狙わないと勿体無いという流れが出来ているのです。ホテル事業や民泊などもそれに合わせて盛り上がってきているのが現状です。
 

視点1 トラブルになる物件を借りないようにするために

 
ホテル事業や民泊などが盛り上がり、ホテルなどもどんどん建っています。それに対して民泊は、2018年に施行された「民泊新法」は営業許可日数180日であることや旅館業の「簡易宿舎」と比べても設備設置があまり変わらないことなどで、普及に歯止めがかかっています。
 
2017年ごろはエアビーなどで、民泊も盛り上がっていましたが、規制が厳しくなり、素人が手出しをするのが難しくなっています。
 
もちろん、住宅などを設計する時には、ある程度利便性の良い場所の場合は、部屋を間貸できるような工夫をしておくことは、家の資産性を高めるので、配慮する方がいいと思います。そういう倍は、民泊新法の民泊や共同住宅用途にするのも一つです。
 
それ以外でいうと、建物を借りたり、アパートを借りたりして民泊や簡易宿舎をするという方法がありますが、実はトラブルも絶えません。
 
ここからは「簡易宿舎にする場合」のトラブルについてお伝えしましょう。
 
 
 

視点2 借りる面積が100㎡以上の場合は特に注意が必要

 
トラブルの一つが、借りたはいいが転用できなかった時です。
借りる規模が50㎡など、100㎡以下の場合は、そこまで規制は厳しくないですが、100㎡以上になると、特に注意が必要になってきます。
 
 具体的には、例えば住居で使っていたところを、「簡易宿舎」にしたい場合、大きさが100㎡以上あると「用途変更」という確認申請を出さないといけなくなります。
 
この「用途変更」というものをしない限り、保健所の「簡易宿舎の営業許可」はおりません。
 
そして、この用途変更をするために必要な書類があります。そしてその書類がなければ、転用するのが非常に難しくなってきます。そのことは貸主も抑えていないことがいいのでこれからそのことをお伝えします。
 
 

視点3 検査済証が発行されていなかったら敬遠した方がいい

 
その書類というのが「検査済証」というものです。
 
検査済証というのは、建物が完成した後に、確認申請通りの内容で建物ができているかの申請機関の完了検査に合格した時に手に入ります。
 
しかし、今から20年ぐらい前までは、大きな建物でも「完了検査」を受けていない場合があります。「え!こんな立派なビルなのに?」というケースも。
 
実際にあった話です。建物が完成した時に、一部店舗の内装などが完成していない状態で最終検査を受けることがあります。その時は、検査済証ではなく、「借使用」として許可されます。
 
本来なら、店舗が入った後にすぐに完了検査を受ければいいのですが、仮使用のまま、何十年も建って気づかないこともあります。数十年後に「用途変更」など、改めて一部分でも確認申請を出す必要がある時に初めて気づくケースもあったりします。
 
ビルのオーナーは、仮使用のままになっていないかすぐに調べておいて方がいいでしょう。
近隣の行政の建築課窓口に行けば分かります。
 
そして、万が一仮使用のままになっていたり、場合によっては完了検査自体を受けておらず「検査済証」がない場合は、1級建築士などが建物調査に入って12条5項報告というものを作成して、検査済証に置き換わる作業をする必要があります。これが無いと「用途変更」が出来ないのです。
 
しかし、この12条5項報告は、建物ができたのちに違法で色々と改造していたらほとんどNGになり、竣工当時の状態に戻さないとOKに至らないケースもあります。
 
非常に難易度の高い作業の場合もあり、私たちも12条5項報告に困難を極める場合があります。
 
話を戻しますが、借りようと思っている建物の検査済証がない場合は、そのままでは用途変更できないので十分注意してください。
 

【もともと12畳あった部屋をあえて二間に区切った事例】

 

視点4 共同住宅を簡易宿舎にする場合に気をつけておくこと

 
もともとの用途が共同住宅の場合は、「共同住宅の容積率の緩和」というものを使って、めいいっぱい建物を建てているケースが多く、用途を簡易宿舎に変更しようとすると、その緩和が適用除外となって、用途変更「不可」になってしまうケースも多いです。その辺りは1級建築士などの専門家に相談してみましょう。
 
 

視点5 近隣との折り合い、ゴミ捨て問題など

 
簡易宿舎を運営する場合、通常のゴミ捨て場にゴミを捨てることは出来ません。必ず、営業用のごみ収集にお願いする必要があります。しかし、それをしておらず、近隣からクレームが入ることがあるので、気をつけましょう。
 
 

具体的に検討したい方は・・・

 
私自身2017年に広島市内で簡易宿舎を取得して、簡易宿舎の運営をしています。お陰様で黒字運営が出来ていますが、そのためには色々とノウハウを構築する必要があります。
 
有料ですが、動画でそのことをお伝えしています。
また、動画を見て簡易宿舎運営に興味が出て、運営をしてみたいという方はいつでもお問い合わせください。
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。