YANO'S BLOG
実はかつて風水が大嫌いでした
2020.01.21 動画 幸せな家造り 基本の「き」 家相 風水
大学を卒業し設計事務所に就職して少し立った頃。
初めて風水の存在を知りました。
 
もちろん大学は建築学科専攻ですが、大学で風水を学ぶことはありません。
今はどうなっているか分かりませんが、その当時はそうでした。
 
それまで風水は「西に黄色い色の花瓶をおけばお金が入ってくる」といった小手先のテクニックの話だと思っていました。「黄色い財布」などもそうですよね。
 
しかし、
「家を建設中にクライアントがなくなった」
「新しい家に引っ越した途端、ご主人がなくなった」
「娘が部屋に引きこもってノイローゼになった」
という、おどろおどろしい話が風水に関係があるという話を聞くようになりました。
 
その時の私の反応は
「家がそんなことするわけがない!」
「住む人を驚かせて暴利をむさぼる悪い人たちがこの情報を広めている!」
「建築家の敵!いやいや、そんな連中、自分たちの眼中にもない!」
というものでした。
 
あくまでも推論ですが、その当時の私と同じような感覚の専門家も多いことでしょう。
それくらい、風水を毛嫌いしていました。
 
設計士仲間と話をしても
「以前施主に言われて無理やり鑑定士に会いに行って大げんかをしたよ」
「玄関の前にお風呂を作れって、この立地条件で考えられないよ!設計を舐めてるのか!」
「そうそう、私のときも施主が連れて来た鑑定士が、家の中心から見て北西は神様の方位なので、その方位の外壁には一切窓を作らないように、って言われてついて行けないって思ったわ」
というような話に花が咲きました。
 
本当にアレルギーに似たような反応をしていました。
 
動画でもその辺りを伝えていますので合わせてご覧ください。

 
さらに輪をかけたのが、世の中に出ている本、雑誌の情報。
本によって書いていることが全然違う。
 
一体何を信じて学べばいいか、全くわからない。
 
そして世の中で、風水や家相を大きく嫌うきっかけになったのがオーム真理教などの事件により、風水や家相もそう言った洗脳させるツールと一緒にされて忌み嫌われるようになりました。1980年代に10代、20代だった人は特に食わず嫌いや毛嫌いしている人が多くいます。
 
住宅業界では「風水は建て主を洗脳させるツール」とまで称する人がいるのも、こういった背景あります。
 
それ以外にも、意識の低い鑑定士が実際に多くいて、リアルを形作る建築士のことを上から目線で風水などの論理を言い放って来ることもあり、犬猿の仲とまで言われるようになりました。
 
そういう背景もあり、住宅業界で風水や家相に純粋に興味がある人は2割か多くて3割程度だと実感しています。そして、風水や家相をきっちりと習得して設計に生かしている専門家は100人中2、3人いればいい方だと思います。
 
それ以外にも業界的に、毛嫌いする人が多いのは、間取りの制限が多いと思われているところにあります。
 
特に「中庭」形式や「L字型」形式の間取りは、風水や家相的に大凶になりやすいのに対して、「中庭」形式は人気のある間取りなので、そこで相いれなくなった部分もあります。
 
風水や家相をしっかりと学べば中庭に近いことは凶にならないように設計は可能なのですが、そういった情報は住宅業界でも広がっていません。
 

【家相で中庭形状を取り入れた実例】

 
しかし、風水や家相の原型に近いものが5世紀ごろから活用されて、平城京や平安京つくり、江戸の城下町を作っていったことろからすると、この数十年で否定してしまうのは非常にもったいないことだと私は客観的に思います。
 
それ以上に現在は若い人を中心に神社ブームにもなっていて、風水なども脚光を浴びてきています。
 
そういうことを含めると、業界の人が毛嫌いし続けることは、とっても勿体無いことです。
 
次回は、「風水や家相が嫌われるように情報操作されている」という話題に触れたいと思います。
そうなんです。私が毛嫌いしていたのも情報操作の罠にハマっていたのでした。
 
(続く)
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。