YANO'S BLOG
Q&A)住宅ローンを借りるのはいいのでしょうか?
2020.02.12 Q&A 家づくり110番 資産

Q)これから家を購入しようと思っているのですが、住宅ローンを借りようと思っています。

 
 でも、親が出来る限り住宅ローンを借りずに、現金で購入しなさいといいます。
 どう考えればいいでしょうか?
 
 

A)住宅ローンを借りる場合は、耐久性の高い不動産としての家を購入(投資)することが重要です。

 
一言で答えると上記のようになりますね。
まず住宅ローンは、借金です。長ければ30年ぐらいかけて返済していきます。
そして住宅ローンを払い終わった後に、家は自分たちにものになります。
 
ここが根本のところで押さえておく必要があることです。
 
それとなぜ親世代の人たちがローンではなく、現金で払えというのか?
それは、1980年代ごろまでは、住宅ローンの金利が7%ぐらいと金利が高かったことと
現金で買っても、数年後に1.5倍ぐらいの価格で自宅を売ることが出来たりと、高度成長時代の特徴といえる状況だったからです。
 
では、今は住宅ローンは借り時なのか?
ここで賛成派と反対派がいます。
 
賛成派は、一番金利が安い時期だから借りたほうがいい。
反対派は、あくまでも借金だから負の資産になる。
 
それぞれの意見にもそれなりの筋の通った理由があります。
 
しかし、ここで忘れてはいけないのが、買おうとしている家がどんな家なのか?です。
 
住宅ローン反対派の人でも、マンションやアパート、土地などを「不動産」として購入しようとするときは借り入れはOKとする人も多いはずです。
 
なぜなら、運用の実質利回り>借り入れの金利 であれば、お金を生み出してくれる可能性が出てくるからです。しかし、住宅ローンになったとたんに反対される。
 
この背景には、「日本の家は10数年たつと土地代だけ残って家はタダ同然になる」という話が浸透している部分にあります。
 
日本の家は20年もたたないうちに、評価額が0に近くなる。
このように聞いたことはありませんか?
日本の家の寿命が20数年しかないといわれていた部分に起因しています。
 
では、今の日本の家はどうなのでしょうか?
まず、マンションを見てみましょう。RC造で作られたものは、だいたい寿命が50年ぐらいといわれています。
50年で崩れるのか?というとそうではなく、その都度改修や大改修を行い、寿命を延ばしていきます。
 
だからマンションを購入するときには、マンションの寿命と大改修の費用をはじめから見ておく必要があるでしょう。
その支払総額が、そのエリアの家賃相場よりも低ければ低いほど、不動産価値はあります。
 
次に一戸建ての木造住宅を見ていきましょう。
木造住宅の寿命はいくらぐらいだと思いますか?
 
実は、家の寿命は二極化が進み、一つに集約することが出来なくなってきています。
 
一つは30年ぐらいで寿命になる家、もう一つは60年、80年、100年と耐久性の高い家です。
 
他の先進国では、後者の耐久性の高い家が主流です。
しかし日本では前者の短寿命の家が主流になっています。
 
家=不動産
 
というイメージが言葉だけ先行していますが、
 
日本の家=30年で寿命がくる耐久消費財、家の価値が0になる
 
が実情なのです。
 
投資効果から見ると、短寿命の家でお金の借り入れをして手に入れるのは割に合いません。
そういった意味で、住宅ローンまで組んで家を手に入れるのは反対だという意見が多いわけです。
 
しかし、冒頭に述べたように不動産としての家を手に入れるのなら、借り入れをしたとしても十分投資効果のあるものもあります。逆に言うと、住宅ローンを借りるのなら、耐久性の高い不動産でないと投資価値は極端に下がるというふうにとらえてください。
 
 
 

 
 
 
 
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。