YANO'S BLOG
Q&A)リビングイン階段はオススメですか?
2020.02.25 Q&A 家づくり110番

(質問)現在家づくりを考えています。色々と雑誌を見ていると子どものことを考えるとリビングを通じて2階に上がるリビングイン階段が良いと聞くのですが、オススメですか?デメリットはないのですか?

 

(八納の回答)間取りに頼りきる発想ではあまり意味はありません。また、断熱性能の低い家でリビングイン階段にすると住み心地が悪くなる可能性があります。

 
リビングイン階段は「子供が帰ってきたときに必ずリビングを通って2階に上がるので、必然的にコミュニケーションが増える」という発想で生まれた間取りです。
 
その背景に「玄関に入ってすぐに2階に上がって自室にこもれる間取りだと子供が何をやっているのかが分からなくなる。家から出て行っても分からなくなる」ということがクローズアップされたことがあります。
 
クローズアップされた具体的な背景には、1997年に神戸連続児童殺傷事件の犯人酒鬼薔薇聖斗の住んでいた間取りなどは玄関入ったら直接階段で二階の自室に上がれる間取りだったことも要因です。
 
では、このクローズアップされた内容はどこまで事実なのでしょうか?
個人的には、これからお伝えする2つこの事象を巻き起こした要因にあると考えています。
 
 

一つは、子供部屋の使い方

 
詳しくは、別のコラムでお答えしていますが、子供部屋はもともと日本にはないアメリカから入ってきた間取り。アメリカでは子供部屋はそもそも勉強部屋としては使っていなく、日中はリビングなどにいるのに対して、日本では子供部屋を勉強部屋として使ってしまったがために、帰ってから部屋にこもる習慣が身についてしまったことが家族と一緒に過ごす時間を減らしてしまいました。
 
 

もう一つは、それが影響して生まれた家族同士のコミュニケーション不足

 
例えばアメリカでは学校から帰ってきたときに直ぐに子どもが部屋に入ると「学校で何かあったのかしら?」と気づくことが出来ます。しかし、日本の場合いつもすぐに部屋に入る習慣がある家では、学校で何かあったのか気づきにくくなります。また部屋にこもりがちな習慣が、親との気軽な会話を楽しめなくなっている原因にもなっていると私は考えます。
 
この2つの要因から分かるように、従来の間取りではそれを容易にしている間取りという印象が付きやすいことが分かります。しかしこれらの要因は、そのままリビングイン階段にしたら解決できるのでしょうか?
 
結論から言うと、リビングイン階段にしたとしても「子ども部屋の使い方」が間違っていれば、これらの問題は解消できません。
 
また、子どもも親に気づかれないように外出するために、リビングダイニングに親がいないのを見計らって駆け足で出かけるなど、関係性は芳しくない状態になってしまいます。
 
ポイントは「引きこもらせない子ども部屋の使い方」と「親子で日常的に会話を楽しめるライフスタイルを築くこと」です。先にこれらのポイントを意識したライフスタイルを構築することから始めましょう。
 
リビングイン階段は、空間として楽しむというイメージでつくるのはいいことだと思います。ただし、リビングに階段を組み込むと空間が広くなるために、家の断熱性能が低いと冷暖房の効きが悪くなり、光熱費もかなりかさみます。
  
リビングイン階段にする場合は、リビングと階段の間に一度壁で仕切って空間を別けるか、別けない場合はヒート20のG2グレード程度以上の断熱性能や気密性能(C値は1以下)ぐらいにしましょう。2020年時点の省エネ基準では、これらの空間の冷暖房を効率よく効かせるには断熱性能がぜんぜん足りません。
 
このように、「リビングイン階段がいいか悪いか?」は、多岐にわたって検討することが重要です。
上記を抑えると、リビングイン階段は、本当の意味で威力を発揮します。
 
動画でご覧になりたい方はこちらからどうぞ
 

 
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この記事の著者
八納客創(やのけいぞう)
一級建築士 G Proportion Architects 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。