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風水と家相の違いを知っていますか?
「同じようなものでしょう」と思った方が、ほとんどだと思います。
実は、風水と家相は別の学問です。そして家づくりでは、この二つを混ぜてはいけません。
私は一級建築士として30年以上、住宅を中心に約130棟を設計してきました。
長年設計をしていると、一定数の方が風水や家相に興味を持って、弊社に相談に来られます。
今回は2026年時点での私の経験に基づく話をします。
興味深いことに、経営者や医療従事者の方が多い。経営者の方には、これまで建ててきた建物で痛い目にあい、後から間取りを調べたら「風水が悪い」と言われた経験を持つ人がいます。
医療従事者の方は、日常的に病気の方と向き合うため、家に帰るとぐったりしている。その疲れを回復させる場として住まいの環境を整えたい——そう考えて、風水や家相に行き着いた方々です。
ところで、私はいま「風水や家相」という言い方をしましたが、この二つの違いをご存知でしょうか。
風水と家相は、何が違うのか
別の学問と言った方が、わかりやすいと思います。
風水は、正式名称を「中国伝統風水」といいます。
現在でも中国や香港、台湾などで使われていて、それが日本に入ってきたものです。
一方の家相は、6世紀ごろに仏教とともに日本へ入ってきた陰陽五行(自然界を五つの要素で捉える古代中国の理論)をベースに、日本の気候風土に合わせて作り上げられたものです。
特に江戸時代に盛んになり、明治時代に完成したという説が根強い。つまり家相は、日本の住環境のために発達した、日本独自の体系です。
鬼門を語るのは、風水か家相か
風水といえば「鬼門」というイメージを持っている人が多いのですが、鬼門という言葉は、ほぼ家相でしか使いません。
鬼門とは北東の方位のことで、家相では最重要項目の一つです。
ところが中国伝統風水では、鬼門はほとんど重要視されておらず、鑑定でもまず出てきません。
「あれ? 風水師に相談したけれど、鬼門の話がメインだった」という人もいるでしょう。
それは風水ではなく、家相です。ある時期、日本で風水と家相がごちゃ混ぜになった時代があり、今でも両者を混同したまま語る人が多いのが実情です。


風水師と組んで2006年に竣工した「日本人のための家」シリーズ第1弾
なぜ「混ぜたら危険」なのか
風水と家相は、基本的に混ぜたら危険です。
理由は単純で、二つは判断の体系が違うからです。
同じ間取りを見ても、風水と家相では見るポイントも評価も異なります。
両方をつまみ食いすると、「風水ではここが良く、家相ではここが悪い」という矛盾した指示が積み重なり、どちらの基準でも整っていない、ただ制約だけが多い間取りができあがります。
設計の現場でこれをやると、動線も採光も犠牲にした割に、何も整っていない家になる。
風水は風水だけ。家相は家相だけ。それぞれ一貫した基準で鑑定し、作り上げてこそ効果を発揮します。
ごちゃ混ぜは基本NG——まずこれだけでも覚えておいてください。
家を建てるとき、どう取り入れればいいのか
では、実際の家づくりではどうすればいいのか。
私の事務所では、家相・風水を占いではなく「統計に基づく再現性のある空間術」として、土地探しの段階から設計プロセスに組み込んでいます。
鑑定士に見てもらった結果を後から図面に反映するのではなく、設計者である私が一貫した基準で解釈し、動線・採光・構造と両立させながら間取りに落とし込みます。
だから、家相に囚われた不自然な間取りにはなりません。
風水と家相の違いを正確に理解し、一方の体系で一貫させ、なおかつ住み心地と両立させる。
それができて初めて、風水や家相は家づくりの役に立ちます。
もしあなたが相談しようとしている相手が、風水と家相を区別せずに語っているなら、一度立ち止まってください。
この区別は、この分野を扱う者としての基本です。家相や風水を踏まえた家づくりを考えているなら、設計相談の場でお話を伺います。
八納啓創

どのように関係があるのか?
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一級建築士 G Proportion Architects 代表。






