YANO'S BLOG
土地を買う前に「家相」は見られるのか|土地の吉凶は地相で判断する
2026.07.21 家相 風水

「この土地、家相ではどうですか」という相談をよく受けます。

最初に用語を整理します。家相が見るのは、家——間取りと建物の形です。土地の吉凶を見る物差しは、正確には「地相」といいます。

だから「土地の家相」というものは、厳密にはありません。しかし、土地を買う前に見るべきものは、はっきりあります。

私は一級建築士として30年以上、約130棟の住宅を設計してきました。土地探しの段階から関わるとき、実際に何をどの順番で見ているのか。この記事では、その手順をそのまま書きます。

土地の吉凶は、どの順番で見ればいいのか

一つの土地を深く鑑定するのではなく、複数の候補を同じ物差しで比較する。これが出発点です。

私の実務では、まず土地の候補を5〜10ほど挙げてもらいます。

その候補を、二つの物差しで順番に絞り込みます。

第一の物差しは、周辺環境の吉凶です。ここでは四神相応——北に山、東に川の流れ、南に開けた平地、西に大きな道という地勢の型——を使います。

四神相応の具体的な見方は「別荘・セカンドハウスに最適な土地選び」で詳しく書いたので、そちらを参照してください。

第二の物差しは、土地そのものの吉凶です。
これが地相で、土地の形状から判断します。

周辺環境で候補を減らし、地相でさらに絞る。ここまでは机上でできます。
グーグルマップの航空写真と測量図があれば、現地に行く前に候補は半分以下になります。

地相では、土地の形の何を見るのか

基本は、長方形や正方形に近い整形地です。

候補の中で順位を下げるのは、代表的には次の三つです。

一つ目は三角地です。鋭角の敷地は建物の配置に無理が出ます。

二つ目は、大きな欠けのある変形地です。敷地の一部がえぐれたような形は、そのまま建物の欠けにつながりやすい形です。

三つ目は旗竿地です。道路から細い通路でつながる形状で、建物の配置と採光の自由度が制限されます。

ただし、これらは「買ってはいけない土地」ではありません。順位を下げる、が正確です。価格や立地に大きな利点があれば、形状の弱点は建物側で補えます。その方法は後述します。

家族の第一印象は、判断材料になるのか

なります。机上の絞り込みが終わったら、残った候補地に家族全員で足を運んでもらいます。

そこで見るのは、家族全員の第一印象です。誰かが理由を説明できない違和感を持つ土地は、選びません。

忘れられない現場があります。候補地に家族で入った途端、それまで機嫌のよかった赤ちゃんがギャン泣きを始めたのです。その土地は選びませんでした。

大人は価格や駅からの距離といった条件で、第一印象を上書きできます。しかし赤ちゃんは条件を何も知りません。体感だけで反応します。

数値化できない判断ですが、条件面の比較は机上で終えているからこそ、最後のこの一票に意味があります。 

すでに土地を買ってしまったら、手遅れなのか

手遅れではありません。ここから先が、家相の出番です。

地相の弱点は、間取りの家相で対処できます。代表的なテクニックを一つ挙げます。土地に欠けのある方位に向けて、建物の間取りでは張り——その方位への張り出し——を作る。土地の形の弱点を、建物の形で打ち消す方法です。

だから私は、購入済みの土地を持って来られた方に「買う前に見せてほしかった」という態度は一切見せません。

買い替えられないものについて、ネガティブな情報だけを伝えるのは、一番よくないことだと考えているからです。土地の吉凶を指摘して終わるのではなく、その土地の上でどう建てるかまで示すのが設計者の仕事です。

なお、間取り側の家相——たとえば北東の水回りをどう扱うか——は「鬼門にトイレ・玄関を置くのは現代の家でも避けるべきか」で書いています。  

土地選びから見てもらうには、誰に相談すればいいのか

ここまでの手順は、鑑定と設計が分かれていると実行しにくいものです。

鑑定士は土地の吉凶を言えますが、その土地にどんな間取りが載るかまでは描けません。「この欠けは張りで返せる」「この形状ならこう配置する」という判断は、図面を描く人間にしかできないからです。

私の事務所では、設計プロセスの最初に方位の分析と土地探し、地相・周辺環境の調査を組み込んでいます。鑑定を受けてから設計者に図面を渡すのではなく、土地を見る人間と間取りを描く人間が同じ、という体制です。

読者の側で使える判断基準は一つです。土地の相談をしたときに、吉凶の答えだけでなく「ならば、こう建てる」まで返ってくるか。返ってくるなら、その相手には土地選びから任せられます。

候補地や購入済みの土地を見てほしい場合は、オンラインの鑑定でも対応しています。   

まとめ:土地は地相で選び、弱点は家相で消す

順番はこうです。候補を5〜10挙げ、四神相応で周辺環境を見て、地相で土地の形を見る。最後に、家族全員の第一印象で決める。

そして、すでに買った土地でも、間取りの家相で対処できます。土地の吉凶で立ち止まるより、その土地でどう建てるかを考える方が早い。

家相そのものの成り立ちや風水との違いが気になる方は、「家相と風水の違い」もあわせてどうぞ。

関連記事

家と家族の幸せとは
どのように関係があるのか?
特別無料PDFプレゼント
100軒以上の注文住宅の設計を通して
数多くの成功と失敗を見て来た建築士が、
「失敗しない家づくりのヒント」を解説した
無料PDFをプレゼントいたします。
この記事の著者
八納啓創(やのう けいぞう/本名:八納啓造)
一級建築士 株式会社G proportion アーキテクツ 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。