YANO'S BLOG
家相を組み込んだ家づくりは、実際どんな流れで進むのか|設計プロセス「6つのステップ」
2026.08.03 家相 風水

「家相を取り入れた家を建てたい。でも、実際にどう進むのか想像がつかない」

こういう声をよくいただきます。

無理もありません。家相の情報は「鬼門がどうか」「間取りの吉凶がどうか」という各論ばかりで、家づくり全体の流れを説明したものがほとんどないからです。

私は一級建築士として30年以上、約130棟の住宅を設計し、家相を組み込んだ家づくりを100件以上手がけてきました。

この記事では、当社が実際に使っている設計プロセスを、6つのステップとしてすべて公開します。

なぜ「間取りができてから家相チェック」では遅いのか

世の中で行われている家相の取り入れ方の多くは、「間取りがほぼ固まってから、鑑定士に見てもらう」という順序です。

私に言わせれば、これは織り上がった布に後から色を差す「後染め」です。

の表面には色が乗りますが、糸の芯までは染まらない。だから使ううちに色が剥げ、柄が崩れます。

づくりでいえば、後から家相を差し込もうとするたびに間取りの手戻りが起き、設計者と鑑定士が衝突し、どっちつかずの家になるということです。

当社のやり方は「先染め」です。糸の段階で染めてから織る。

まり、間取りを描き始めるずっと前——住む人を知る段階から家相を織り込んでおく。そうすれば、完成した柄(間取り)は崩れようがありません。

これができるのは、鑑定士に見てもらってから設計士に図面を渡すという分業ではなく、一級建築士である私自身が設計プロセスそのものに家相を統合しているからです。

下の6ステップは、その具体的な中身です。

6つのステップの全体像

ステップ やること 一般的な家づくりと違う点
① 生年月日の確認 住む人全員の生年月日から、生まれ持った特性を読み解く 間取りではなく「人」から設計が始まる
② 方位分析と土地探し 年ごとに変わる方位を分析しながら土地を探す 土地の候補出しの段階から設計者が関わる
③ 地相・周辺環境調査 四神相応と土地の形状(地相)を読み解く 法規・地盤だけでなく土地の吉凶まで調査する
④ 間取り・空間計画 ①〜③のすべてを織り込んで間取りを描く 家相チェックという工程が存在しない(最初から入っている)
⑤ 着工・引っ越し時期の割り出し 引っ越しの移動方位の吉凶から逆算して工程を組む 「いつ建てるか」「いつ住み始めるか」まで設計の対象になる
⑥ 地鎮祭・上棟祭・竣工祭 節目の祭事を省略せず、竣工祭まで行う 近年省略されがちな儀式を、重要な工程として位置づける

順に説明します。

ステップ①:なぜ間取りではなく、生年月日から始めるのか

当社の家づくりは、住む人全員の生年月日の確認から始まります。

生年月日からの分析方法は流派によっていろいろありますが、家相では九星気学を使い、本命星・月命星・傾斜・同会というものを割り出します。

これによって、その人が生まれ持った特性が読み解けます。

これが何の役に立つのか。たとえば、どの方位を張り出すか。誰をどの部屋にするのがいいのか。

そうした間取りの根幹に関わる判断が、家族一人ひとりの特性から導かれるのです。

一般的な家づくりでは、部屋割りは「広さ」と「希望」で決まります。

家相を組み込んだ家づくりでは、そこに「この人の特性にはこの方位が合う」という物差しが一本加わる。

間取りより先に、人を読む。これがステップ①です。

ステップ②③:土地は何を見て選ぶのか

土地探しの段階から、設計者である私が関わります。見るものは二つです。

一つは、年ごとに変わる方位

方位の吉凶は固定ではなく、年によって変わります。だから「いつ、どの方角の土地に動くか」を家族の生年月日と突き合わせて分析します。

もう一つは、土地そのものと周辺環境です。

周辺環境は四神相応という物差しで、土地そのものは形状——つまり地相で読み解きます。

土地の吉凶を見る物差しは家相ではなく地相であること、候補の絞り込みから現地での最終確認までの手順は、土地を買う前に「家相」は見られるのか|土地の吉凶は地相で判断するに詳しく書きました。

すでに土地を購入済みの方も心配はいりません。土地の弱点は、間取りの側で対処できます。

ステップ④:間取りはどう描かれるのか

①〜③の材料がすべて揃ってから、間取りを描きます。

ここで大事なのは、「家相チェック」という工程が存在しないことです。

家族の特性、方位、地相——すべてを織り込んだ状態で最初の一筆を引くので、後から直す場面がそもそも生まれません。

染めの糸で織るとは、こういうことです。

家相を入れると間取りが不自由になるのではないか、と心配される方が多いのですが、実際には家相を組み込んだ提案がご要望とぶつかることはほとんどありません。

この点は家相を取り入れると間取りの自由度は下がるのかで実例とともに説明しています。

また、水回りの配置など実務で使う具体的な基準は鬼門にトイレ・玄関を置くのは現代の家でも避けるべきかをご覧ください。

ステップ⑤:なぜ「いつ引っ越すか」まで決めるのか

意外に思われるのがこのステップです。当社では、着工と引っ越しの時期まで割り出します。

理由は、引っ越しの移動方位で吉凶が分かれるからです。

今住んでいる場所から新居へ、いつ、どの方角に動くのか。これを分析し、そこから逆算して建設スケジュールを組み立てます。

「時期が悪かったら何年も建てられないのでは」と心配される方もいますが、実務では、時期を少しずらすだけで調整できるケースがほとんどでした。

まれに、その方位への移動が3年ほど難しいという方もいらっしゃいます。

だからこそ当社では、初めの無料相談の時点で方位を見るサービスを行っています。土地を買い、設計を進めてから判明するのでは遅いからです。

ステップ⑥:地鎮祭・上棟祭・竣工祭は、今でも必要か

最後は儀式です。地鎮祭、上棟祭、そして竣工祭。

近年、これらは省略されることが増えました。地鎮祭だけ行い、上棟祭と竣工祭は行わない現場が多数派です。

しかし、風水や家相で建てるなら、この三つの祭事はとても重要です。

土地に手を入れる前、骨組みが立ち上がったとき、家が完成したとき。

それぞれの節目で土地と家に区切りをつけることまで含めて、家相を組み込んだ家づくりだと私は考えています。

この流れで建てたいなら、誰に頼めばいいのか

以上が6つのステップです。

ご覧いただいた通り、家相は間取りの最終チェックではなく、家づくりの最初から最後までを貫く一本の筋です。

からこそ、この流れは分業では回せません。

生年月日の読み解きから間取り、時期の割り出しまでを、設計者一人の頭の中で往復させる必要があるからです。

の体感では、風水や家相を設計に活かせる建築士は100人に2〜3人。

見分け方の具体的な条件は家相の家づくりは誰に頼めばいいのか|建築士の見分け方にまとめています。

相と風水は別の学問であり、混ぜてはいけないという前提から知りたい方は、家相と風水の違いは何かからお読みください。

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この記事の著者
八納啓創(やのう けいぞう/本名:八納啓造)
一級建築士 株式会社G proportion アーキテクツ 代表。
「快適で居心地よく洗練されたデザイン空間」を探求している1級建築士。「孫の代に誇れる建築環境を作り続ける」をビジョンに、デザイン性と省エネ性、快適性を追求する一般建築を、そして住宅設計では「笑顔が溢れる住環境の提供」をコンセプトをもとに、会社員から経営者、作家など幅広い層の住宅や施設設計に携わる。